いろいろな宗教のかたち

さまざまに分かれた仏教

日本にはいろいろな宗教があり、信者がいます。メジャーなものが仏教ではないでしょうか。広い意味では日本人の99パーセントが教徒と定義されているものもあります。しかし、実際には意識はほとんどない人が多いというのが現状です。
とはいえ、身内が亡くなるとお寺等に連絡をして、お坊さんを呼んで法事でお経をあげてもらうのが一般的となっています。もちろん、その納骨に関しても、お墓に入れるということを考えれば、意識してはいなくても、つながりは深いということになります。
もともとは、インドの釈迦を開祖としたものでありそのひとつなのですが、日本ではさまざまな宗派に分かれています。中でも浄土真宗、日蓮宗の割合が多くなっています。

伊藤真乗の興した真如苑

現在は世界各国に100以上もの寺院のある真如苑ですが、始まりは、伊藤真乗とその妻である伊藤友司によって、立教されたものです。現在は、娘である伊藤真聰が苑主を務めています。
立教は1936年となっていますが、1936年は伊藤真乗が真言宗の醍醐寺で得度を受け、修行を始めた年です。2年後の1938年に東京の立川市に真澄寺を建立し、1943年に真言密教の方を全て受け継いでいます。その密教の教えというのは出家して学ばなければ理解するのが難しいということもありました。万人が正しく修行を行うことができるように、大般涅槃経を所依の経典として、信仰の在り方を体系化したのです、それが、真如苑となります。
立教は1936年ということになっていますが、真如苑としては、1943年がそのはじまりということになります。

真如苑の3つの特徴

真如苑の特徴として3つのことがあります。まず、「接心」です。自分と向き合う修行のことで、本来の自分の姿を知ることで、それを日常に活かすことで、教えを歩んでいくための基本となっています。真言宗の開祖である空海が大切だと説いた「如実知自心」と同じような考えです。
2つ目が「法流」です。伊藤真乗が真言宗の醍醐寺で修行していたときに修めた伝統の法です。近年の新しい教団の中では珍しく、日常の祈りに加えて、何千年ものあいだずっと受け継がれてきた伝統の儀礼を大切にして修法を重ねるという考え方なのです。
3つ目が涅槃の教えである「大般涅槃経」です。多くの宗祖に大切にされてはいるのですが、学術的なものとして扱われることが多く、中心の経典とされることはあまりありません。教えの中心としているのはかなり珍しいことのようです。そのため、出家をする必要なく日々の実戦で信心を身に着けるということが他の教団に比べかなり珍しいこととなっているようです。